一、不妊症の定義
妊娠を希望して、一年間の性生活を行っているにもかかわらず、妊娠が成立しない状態を不妊症といいます。
二、不妊症の原因
まず、今まで夫婦の既往歴を全般的に理解し記録します。確認内容は、年齢、結婚や同棲期間内の避妊状況、月経状況、妊娠や生産経験の有無、検査や手術経験の有無とその結果、薬服用や飲酒・喫煙の状況、伝染病の有無などを含みます。
(一)女性側の原因--40%
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排卵の障害とホルモン分泌の乱れが考えられます。
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腹腔と骨盤腔内の癒着や卵管手術の感染による癒着などがあります。
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子宮内膜症。
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頸管粘液の問題:精子が順調に子宮に入れるため、排卵前には頸管粘液が分泌されます。
(二)男性側の原因--30%
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アルコール、喫煙、薬服用と不良環境の影響で、精子品質が低下します。
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子供時代の病気や隠睾が考えられます。
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青春期に耳下腺炎の感染を受けました。
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泌尿外科の手術歴:射精への影響が考えれます。
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放射線治療や化学治療による造精機能障害があります。
(三)共通原因--20%
夫婦一体で、生育能力を検討します。例えば、妻は排卵障害があります。それに夫の精子量が少なくて、活動力が弱い場合、妊娠確率が影響されます。
三、検査方法
(一)女性側
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基礎体温の測定:排卵日の指定と黄体期間の長短が制御できます。
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血液中の黄体形成ホルモン:月経開始前の5~10日間内、採血で排卵の状況と黄体形成期間が分かります。
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体系的な超音波検査により、卵胞の成長過程と排卵状況が分かります。
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Home test kit (排卵診断テスター):排卵日が測定できます。
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卵管造影(HSG):子宮の異常、卵管周囲の癒着が確認できます。
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内視鏡検査:異常HSGや卵管の閉塞が疑われる場合は、腹腔鏡検査で確認する必要があります。
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内分泌採血検査:内診検査です。
(二)男性側
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精子分析-最も基本で簡単な方法です。
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内分泌採血検査
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抗精子抗体検査
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外部生殖器の外観確認
四、「体外受精児」とは?
体外受精児は試験管で成長する子供ではありません。排卵薬の刺激のうえで、超音波で卵胞を確認し、採血で血液中のホルモン濃度を測定しながら、適切な時期に超音波方法で卵子を体外に取り出して精子と試験管内で受精させます。試験管内に約二日間を成長させた受精卵を子宮内に戻します。この方法は「顕微授精」と「卵管内移植法」と呼びます。
五、「体外受精」治療に適切な人は?
下記四種類の患者は体外受精治療が受けられます。
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両側卵管が切取られたり、完全に癒着したりする患者。
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子宮内膜症が大変な患者。
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精子数が少ない患者。或いは、無精子症と診断された患者。
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原因不明の不妊症。
六、奇形児や異常児の出生は?
体外受精治療の場合、先天異常児の出生確率は普通の妊娠の場合と同じです。
七、体外受精の失敗原因
(一)排卵は成功しましたが、卵子の取出手術で骨盤腔内の癒着状況により、簡単に卵子が取出せません。
(二)卵子は取出しましたが、受精できません。或いは、受精卵が正常に分裂できません。現在は精子の顕微注入により、受精確率を高めます。
(三)分裂した受精卵がうまく子宮に移植しても、30%~40%の妊娠確率が一番困ります。これも世界各地の人が積極的に研究し、改善を図る問題点です。
(四) 体外受精児の流産率は自然妊娠より高いですので、大量のプロゲステロンの摂取が必要です。
1995年まで、6対の夫婦の中、約1対は不妊問題があります。但し、1/3は人工授精で解決できます。ここ数年間、不妊症の研究は大幅に成長しています。不妊症の専門医者に相談し、全面的に検査をして、不妊原因を究明したうえで、治療方法を決めた方がお勧め致します。夫婦二人とも時間、精力、お金を掛かることもご了承のほど、お願いします。どうぞ自分を信じて、必要の場合は専門の人に相談をして下さい。不妊問題の解決に、我々はに全力でご協力致します。
連絡電話:(04)22052121内線5180,3760
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